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日産の女性営業


神奈川日産今宿営業所

カルロス・ゴーン逮捕には驚いた。カリスマ経営者の素顔は私腹を肥やす守銭奴だった。同時に、日産との経営統合を模索するルノーとそれに抵抗する日産の姿も浮き彫りになった。しかし不思議なくらい、消費者は日産に関心がない。

ゴーン体制下の日産は、自らの車作りの歴史を否定し、アメリカ・中国向けの車を作ることで復活した。今や年間580万台を生産する大メーカーである。ところが国内では、ダイハツ、スズキにも抜かれ、5位に転落した。サニーもパルサーもブルーバードもプリメーラもローレルもセドリックもグロリアも消えてなくなり、あのスカイラインでさえ不人気車種なのである。日本向けの車種は、セレナ、ノートだけで、売れているのもこの2車種しかない。日本の消費者を軽視し続けてきた代償は大きい。

日産デイズ

販売不振の影響は営業現場に如実に現れる。
2018年9月、ラフェスタからデイズに買い替えた際、ディーラーは5年分の車検と点検をコミットするメンテナンスパックを執拗に勧めてきた。保険やローンも同様である。車が売れないから、保守で稼ごうということなのだろう。
入社半年の女性営業が担当についた。言われたことをこなすのが精一杯という印象だった。新人営業には上客だったはずである。文句は言わないし、金払いはいいし、納車のときも一夜漬けの説明を最後まで聞いてあげた。こんな良いお客でいいんだろうかと思ったぐらいだ。

その後も、この女性営業からよく電話がかかってきた。
3か月点検の時は、「当日は研修でいないので対応できない」という電話。
新車を買ったばかりなのに、「新車フェアに来てくれ」という電話。
3か月点検を終えたばかりなのに、「6か月点検を今月中にやってほしい」という電話。
訳が分からない。
そして、「体調が悪く、退職することになりました」という電話。

きついノルマに人格崩壊した、そんな気がしてならない。


記:2020年1月